アスベストに注意!
=静かな時限爆弾アスベスト=
がれきの撤去作業に花粉用マスクでは危険です!
目次
・はじめに
・アスベスト対応マスクについて
・衣服の湿式除去
はじめに ( 911のアスベスト被害 と 建設現場の対処例 )
911同時多発テロのとき、被災者の救出にあたった多くの人々がアスベストを吸ってしまい、その後アスベスト禍が表面化し問題になりました。
つい最近までおよそ1万人がニューヨーク市を相手取り損害賠償を求めていましたが、2010年11月に市側が少なくともおよそ520億円を支払うことで、和解が成立しました。このことからも、アスベスト被爆は深刻な二次災害であった事が分かります。
ただ、911テロの時は大量の粉塵が舞いましたが、東北の被災地は津波の被害であったためアスベストの拡散状況は異なります。
「被災地の現状」と「911テロの状況」と「建設現場の状況」はそれぞれ異なる事をはじめに明記して、その上で私どもの知っているアスベスト情報がお役に立てばと思います。
TV報道でそれほど見かけないこともあり、被災地の撤去現場と私が関わったことがあるアスベスト現場とは作業環境が違い、屋内・部屋内のような作業空間ではないため、神経質になる必要はないのか? とも思われ、どの程度の注意喚起が適切なのか迷います。
昔は小学校や公民館、自動車のタイヤやブレーキ部品にもアスベストは使用されていたと言いますし、健康被害を気に掛けるという点では日常、頻繁に高い濃度でアスベストに接触するような環境にいなければ大きな問題は無いのかも知れません。
【 建設現場のアスベスト対処例 】
ですが百貨店の改修工事で見た大手ゼネコンの現場では、アスベスト撤去の作業員がその他作業員と同じ休憩所に入るために、
【 作業場 → エア・シャワー室 → 専用脱衣室 → 休憩所 】
と、厳重な施設を通過して他の作業員のいる休憩所に合流する手順が徹底されていました。
アスベスト材が多く存在する解体現場では「アスベストを外へ持ち出さない」「自宅へ持ち帰らない」努力がされていました。
むろん上記のアスベスト用設備は屋内でアスベストが作業場に充満する作業環境を想定していること、現場が商業区域で一般の歩行者が多いことなどに配慮した結果の対処設備です。
私どものアスベストに対する認識と対処は上記の作業環境を最高に危険な環境という事にして、私どもの装備と知識で従事できる作業の目安を決めています。