アスベストに注意!

= アスベストから身を守る 家族を守る =

(2)衣服の湿式除去

 ● 濡れタオルで衣服の表面を拭う   ● 一人より二人一組

アスベストは地面に落ちている状態、束になっている状態であればそれほど危険ではなく、細かくなって空気中に飛散した状態が非常に危険であると言われています。

屋外であれば晴れの日より雨の日の方がアスに関しては安全です。

アスベスト特別教育の講習では少量が床に落ちているようであれば「霧吹き」などでアスベストを湿らせて掃除してしまい、除去したアスベストは専用の袋に入れて処分するよう教わります。


★アスベストの撤去作業のレベル

 レベル1 : 石綿含有吹付け材 (高濃度粉塵)
 レベル2 : 石綿含有の耐火被覆材、断熱材、保温材
 レベル3 : その他の石綿含有建材(成形板等)

とあり、「レベル1」が著しく発じん量が多い作業とされ、「吹き付け材」など飛び散りやすいアスベスト材の撤去が最も危険とされています。
作業員の装備も厳重で、フルフェイス型マスクと表面がつるり とした保護衣を着用して作業に臨みます。
*発じん : 撤去や破断などの行為によって粒子が発生・飛散すること。

スレート材など飛び散りにくい形成材の撤去作業が「レベル3」となります。このレベルでも湿式作業を原則とし、発じんレベルに応じた防じんマスクの装備が必須となっています。(アスベスト材の写真は豆知識3にあります)


★少量の撤去でも危険!

以上からも、仮に少量であってもアスベスト材を撤去するような作業はボランティアが従事すべき作業ではないと思います。
建築職人でもアスベスト材を撤去する作業に従事する場合、「アスベスト特別教育」という講習を受けた者でなければなりません。ですから本来は一般の方が関わるような作業ではありません。
震災の復興現場という特殊な環境ゆえにアスベストに遭遇する危険があるわけです。
被災地の撤去現場の大部分は「アスベストの撤去」というより「がれきの撤去」がメインでしょうから、屋外で飛散している可能性のあるアスベストに「注意すべき」レベルということになると思います。
近くにアスベスト材が無くとも、屋外であれ目視できないほど微細化したアスベストが飛んでいたり浮遊していたりしている可能性は想定すべきです。

★アスベストをふき取りやすい材質の服を選ぶ



アスベスト特別教育ではヘルメット・作業着・靴などに付着したアスベストを取り除く有効な方法として、「叩いたり」「はらったり」せずに「濡れタオルで拭き取れ」と教わります。
クリーニング装置など、アスベストを取り除く設備があれば良いのですが、そういう装置はアスベストを大量に除去する現場にしかありませんので、私どもは主に「濡れタオルによる湿式除去」です。

私どもは作業着やヘルメットの湿式除去に使用したタオルは「洗濯してまた使う」ということはせず、必ず処分しています。

よく見かける「頭部への巻タオル」も、タオルでタオルのアスベストを拭き取れないという理由で、アスベストがありそうな作業場では頭部の巻タオルを禁止にしています。


★車内や自宅にアスベストを持ち込まない

がれきの撤去作業などの後には「必ず着替える」、まずこれが重要です。着替えの前にマスクをしたまま衣服に付着したアスベストを濡れタオル等で拭き取ります。
一人で拭き取るより、二人一組で行う方が望ましいです。

湿式除去が推奨される理由ですが、飛散を予防して安全に除去しょうという目的の他にもう一つ、自宅や自動車内など身近な空間、狭い空間にアスベストを持ち込んでしまうリスクを軽減できるからです。

閉所にアスベストを持ち込んでしまえばそれだけアスベスト被爆の可能性も高くなります。

あるケースでは、同一環境・同一作業の就労者の家族のうち、全員がアスベスト被害にあってしまった家族と、全く被害が出なかった家族とに別れたそうです。

これも自宅に持ち込んでしまったアスベストの総量が関係していると思われ、悲惨な例では工場の製造ラインで働いていた父親の作業マスクを小さな子供が遊びで使ってアスベスト被害にあったという事例が報告されており、アスベストを持ち込まない、拡散しない配慮はとても重要です。

アスベストの「ありそうな場所」や「代表的な使用材」について知りたいという方は「暮らしのまめ知識3」をどうぞ。


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[関連リンク]暮らしの豆知識3―アスベストが使われている場所―をよむ

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アスベスト被害を予防しよう

瓦礫が乾燥してくるとアスベストが飛散しやすくなり危険が増します。アスベストの吸引予防、拡散防止など、基本的な対処目安をまとめました。

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