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(3)在来工法=伝統工法?

五重塔のお話しから少し見えてくる事があります。

それは五重塔が基準法違反というのではなく、日本に「柔構造の建築基準」がないという事です。

例えば「耐震基準」はあるが「制震基準・免震基準」はなく、そういう意味で五重塔は「耐震構造」ではなく「制震構造」と言えます。

在来軸組工法の歴史を語るときに世界最古の木造建築ということで有名な『法隆寺』が引き合いに出されますが、現代の在来工法とは「べつもの」とよく言われます。


様々な意見や見解があるので詳しい違いは省かせていただきますが、少なくとも建築基準法が見ている時期というのは戦後であり、そういう意味で現在我々が認識している在来工法もその「出発点は戦後から」と考える方が適切と思われます。

耐震基準が「補強の基準」という性格が強いことからも大黒柱があるような古民家の補強を目的としたのではなく、言い方は荒っぽいですがバラック風の仮住居からスタートしてその後乱立した粗雑な建物を強化するのが基準法制定の当初の目的であったと思われます。

地震国で培われてきた日本の伝統技術は何も法隆寺に代表される工法だけではなく、五重塔のような「柔構造」の技術も確かにあったわけです。

地震への備えとして木造の剛構造化は一つの答えですが、唯一の答えではないと思います。世界に誇りうる日本の建築遺産には多くの柔構造の建築物が含まれています。


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